皮膚生検(病理検査)

皮膚生検(病理検査)とは?

皮膚生検はバイオプシーとも言い、病変の皮膚を局所麻酔下に採取し、その病変を顕微鏡で調べることで細胞レベルで病気の特徴を詳しく調べる検査です。皮膚病変の診断をつけるために行ったり、腫瘍の切除後などに病変がまだ残っているかを判断したりすることもできる、非常に有用な検査です。
採取した病変は顕微鏡で詳しく観察し、病理学的に診断をつけるため、病理検査とも呼ばれます。
病変の一部をとる場合(部分生検)と病変を全部とる場合(切除生検)があります。

部分生検

大きい病変のうち一部(数ミリ)を採取し、診断をつけてから病変全体の治療を改めて行います。診断によって、さらに病変全体の手術を行ったほうがよいのか、残りの病変は塗り薬や液体窒素など手術以外の方法で治療したほうがよいのか判断します。

切除生検

病変全体が一度の局所麻酔の手術でとりきれる場合には、切除生検を行います。 少し傷は大きくなりますが、病変の診断をつける検査と病変そのものを切除する治療が一度にできるという利点があります。 ただし、病理検査の結果、悪性の腫瘍であった場合などには、病変が肉眼的に取り切れていても、後でもう一度傷跡の周りをさらに切除する手術を行うことがあります。これは、悪性の腫瘍細胞がまわりに広がることを防ぐためです。
なお、採取した病変は特殊な処理を行い、プレパラートを作成してから検査するため、当院では結果がでるまで1週間程度のお時間をいただいています。

当院では、局所麻酔で30分程度まででできる生検のみを行います。

局所麻酔でもやや時間・技術を要するようなケースや、全身麻酔下に行う手術などは大学病院等にご紹介いたします。

皮膚生検の流れ

ベットに横になっていただき、病変部の消毒を行い、局所麻酔の注射を打ちます。
局所麻酔の注射を打った部位とその周辺は、しびれて痛みの感覚がなくなります。
痛みを感じなくなったことを確認後、病変部をダーモパンチという器具やメスを用いて採取します。

採取した病変の部位や大きさに応じ、手術用の針と糸を用いて縫合して終了です。傷が小さい場合や、縫わずに自然に治したほうが綺麗に治ると予想される場合には、縫わずに軟膏とガーゼを載せて終了となる場合もあります。

皮膚生検のあとの傷の手当の方法や注意事項を医師または看護師より説明いたします。
皮膚を縫合した場合には、1週間から10日ほどで抜糸をします。

皮膚生検の前には、感染症の有無を調べる血液検査が必要です。 詳しくは、手術についての記事をご覧ください。