ざ瘡(にきび)

にきびとは・・・

思春期以降多くの方にみられる疾患ですが、顔など目立つ部分にできることが多く、悩まれている方が少なくありません。毛穴に角質や皮脂成分が詰まった白ニキビや黒ニキビ、炎症を伴った赤ニキビなどがみられます。自己流の治療でかぶれたり悪化したりすることもありますし、強い炎症をおこしたニキビは痕が残りやすくなります

にきびの原因

にきびの原因は、大きく分けて4つあります。

  • ホルモンバランス:思春期になりアンドロゲン(男性ホルモン)の働きが活発になると、皮脂が増加します
  • 皮脂の増加:皮脂の増加によって毛穴の中に皮脂が貯留してしまうことにより、にきびができやすくなります
  • 角化異常(毛穴のつまり):皮膚にはターンオーバーという角化のサイクルがあり、一定の周期で角質がはがれていきますが、このターンオーバーがうまくいかなくなると、角質が厚くなって毛穴をふさいでしまいます。
  • アクネ菌の増加:アクネ菌は皮膚の常在菌(誰もがもっている菌)ですが、毛穴がつまり皮脂が貯留している状態の中で増殖し、炎症を起こします

その他にも、ストレスや生活習慣、化粧品、遺伝的因子、毛包虫(ニキビダニ)などが関係してにきびができると考えられます。

にきびの治療

 

以前は「にきびは青春のシンボル」と言われ、にきびぐらいで病院を受診するものではないという考えの方が多かったのですが、今は悪化させる前に早めに治療をしようという考え方が主流です。このくらいで皮膚科に行っていいの?とためらわず、悪化する前に早めに皮膚科を受診しましょう。当院では以下のような治療を行っています

 外用剤

かつては硫黄製剤や外用抗生剤しか薬の選択肢がありませんでしたが、最近は、毛穴のつまりを改善しニキビを治すピーリングのような作用をもつ外用薬が出ており、ニキビの標準治療となっています(下の表の②)

  • アダパレン:ディフェリンゲルという商品名の薬です。角化を抑え、毛穴の詰まりをなくしてニキビを治す薬です。刺激性の変化で皮膚が赤くなったりカサカサしたりという症状が出る場合が多いですが、通常皮膚が慣れてくると刺激が少なくなります。
  • 過酸化ベンゾイル:ベピオゲルという商品名の薬です。毛穴の角化を抑え、毛包の詰まりをなくすと同時ににきびの炎症も抑えます。やはり刺激性の変化で赤くなったりカサカサすることがあります。また、アレルギー性の接触皮膚炎を起こす場合もあります。
  • 過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン:デュアックという商品名の薬です。ベピオゲルの作用に抗生剤外用剤を追加したものです。炎症を伴ったニキビに最初に使用し、炎症がおさまってから抗生剤の入っていないタイプに切り替えると良いとされています。
  • アダパレン+過酸化ベンゾイル配合:エピデュオゲルという商品名の薬です。ディフェリンゲルとベピオゲルの合剤となっていますので、より強力な効果が期待されます。

以上のような外用剤のほか、以前からある外用剤(下の表の①)を処方することもあります。前述の外用剤と合わせて使用したり、前述の外用剤の刺激が強くて続けられない場合に単独で処方したりします。

 抗生剤内服

赤く腫れてしまったニキビには抗生剤の内服で菌を抑える治療をします. ビブラマイシン、ミノマイシン、ルリッドといった抗生剤の内服で炎症がだいぶ良くなります。

 その他の治療

ビタミン剤の内服や漢方薬が効果的と思われる場合は提案させていただきます。

また、自費治療となりますが、トレチノインという外用剤もニキビによく効く薬ですので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。

トレチノインについてはこちらの記事もご覧ください

にきびができたら・・悪化する前に早めに皮膚科を受診しましょう