ハイドロキノン、トレチノイン療法

  こんなお悩みのある方におすすめです

  • しみが気になる
  • にきび、毛穴が目立つ
  • 小皺
  • 皮膚にハリがない

皮膚の構造とシミ

皮膚は浅い方から表皮、真皮、皮下組織で構成されています。老人性色素斑(いわゆるシミ)や、雀卵斑(そばかす)、肝斑、炎症後色素沈着などは表皮の一番下部の基底層と呼ばれる部分から上部にメラニンが沈着し、茶色いしみとなって見えます。

トレチノインの作用

表皮の角化細胞は基底層でできてから徐々に浅い位置へ押し上げられていき、最後には垢となって剥がれます。このサイクルをターンオーバーといい、通常このターンオーバーのサイクルは4週間なのですが、トレチノインを外用すると細胞の増殖が活発となり、ターンオーバーのサイクルが早くなるため、沈着したメラニン色素がどんどん浅い位置に押し上げられて剥がれることにより、シミがなくなっていきます。また角質が剥がれて毛穴の詰まりがなくなるため、ニキビにも効果的であり、毛穴が目立たないキメの細かい肌になっていきます。さらに真皮ではコラーゲンの産生が促進されるため、小皺が目立たなくなり皮膚に張りが出てきます。 トレチノインはこのように色々な効果が認められるため、シミの治療のみではなく、肌全体を綺麗に若々しくしていくという利点があります。ただし、シミの生成を抑制する効果はないため、せっかくしみが取れても、また新たにシミができることがあります。ですから、新しいシミをできなくするハイドロキノンという薬を併用することが大事です。

ハイドロキノンの作用

ハイドロキノンはメラニン合成酵素であるチロジナーゼの阻害剤でありしみの原因であるメラニン色素を作らせなくする漂白剤です。できたシミを取るトレチノインのような作用はないため、トレチノインと併用することがおすすめです。 まれに肌に合わなかったりかぶれたりすることがありますので、目立たない場所で2、3日外用してみてから顔に塗ります。

トレチノイン、ハイドロキノンの使い方

処方されたトレチノインを朝晩1日2回、または夜1回 洗顔・保湿後に外用します。初めは少量から始めます。ハイドロキノン軟膏薄く伸ばして外用してください。日中は必ず日焼け止めを外用してください。お化粧もして大丈夫です。トレチノインを外用開始後、数日~1週間で顔が赤くなりカサカサと皮が剥けてきます。(反応には個人差があります)。この時期は皮膚がヒリヒリしたり痒みを伴ったりしますし、皮が剥けてお化粧ノリも悪くなるため、辛い時期ですが、頑張って続けてみてください。ただし、あまりにも反応が強すぎる場合には一旦トレチノインを中止し、ハイドロキノンのみ続けてください。

トレチノインの効くしみ、効かないしみ

前述のように、トレチノインは表皮(皮膚の浅い部分)のシミに効く薬ですので、真皮(皮膚の深い部分)のシミには効きません。また、表皮と真皮の両方に色素があるタイプのシミの場合、表皮のシミのみ取れて真皮部分のシミが残ります。

注意点

  • 強い反応を伴う治療ですので、定期的に医師の診察を受けてください。目安は1-2週間毎となります。
  • 妊娠中、授乳中の方は使用できません