アトピー性皮膚炎の治療は、ステロイド剤等による外用療法が基本となります。部位と重症度により適切な強さのステロイドを使用し、症状が改善したら徐々にステロイドを弱くしたりプロトピック軟膏やコレクチム軟膏などステロイドの含まれない外用剤に移行していくことで、一般的には皮膚炎をうまくコントロールすることができます。
しかし、一部の重症度の高い患者さんでは標準的な外用療法で効果が見られなかったり、副作用で外用剤が使用できないことがあります。このような患者さんにおいては、デュピクセントという注射療法の適応となります。
デュピクセントは2018年4月から使用が開始され、非常に優れた治療成績と高い安全性が報告されている治療法です。デュピクセントはTh2というリンパ球から分泌されるIL4とIL13というサイトカインを抑制します。これにより皮膚のバリア機能の低下や炎症の促進を抑え、痒みに対し速やかな改善効果をもたらします。